絹の足枷 あとがき

思えばこの三年間、どんだけ徹平と詩織のことを考えて生活していたか。
家族のことより考えてる時間が長かったんじゃないかと思うほどです。

この話を作ろうと思ったのは、会社や、娘の友だちなど、若い男の子と話したり、男の子のお母さんの
話を聞く機会が増え、「最近の男の子はなんだか女の子に優しいというか、女の子を怖がっているな
あ」感じたので、「最近の若い男の子」の私の印象を作品にしようと思ったのがきっかけでした。
そこに、マイミクと「自分を好きになってくれるタイプってなぜか好きになれないよね」という話をしていて、

「私を好きじゃない人が好き」

というテーマに決めました。


前作「幸せな時間」でヒロイン、真由美の弟が女の子を泣かしたらお母さんにこっぴどく怒られたので、
女の子を泣かしたら謝らなきゃいけないと言うシーンがあったのですが、それを読んだ方に「弟の彼女
も見てみたい」と言われ、「クラスメイトのつもりだったけど、彼女のように一緒にいる女の子だと思
われたのか」と驚きました。
それがきっかけで、彼女面した女が常にいたことにしてはどうかと思い、弟を主人公にすることに決め
ました。
私はキャラクターを新しく作るのが苦手なので、これは楽だと思いました。

ヒロインはどうしようと思ったんですが、私はいつもついかわいいというか、女々した気が弱そうな女
ばかり作ってしまうので、流石にマンネリだなあと思っていたところで、お友達のサクラサルさんの描
く気の強いヒロインが可愛かったので、真似したい!と思い、作ったのが真穂と詩織でした。
真穂はよくも悪くも女らしい女の子。詩織は天才肌の職人気質というイメージです。
まあ、やっぱり気の強い女作るのは私には難しかったです。
また、詩織は、Akio-Noirさんの髪型データを見て、どうしても髪を途中で切るというシーンを作りたく
てあえてコミPo!の既存のデータを使いませんでした。
でも、このかつらデータが本当にかわいくてイメージにもぴったりで、本当に有りがたかったです。
私が英語できないので感謝の気持ちをお伝えできないのが本当に残念です。

3D背景作るの楽しかったです。
保健室とか対面式キッチンとか。


徹平と真穂はある程度こんな感じと最初に考えていましたが、詩織は完全に動かしながら形を作ってい
ました。コイツは兄弟多そうしかも真ん中だな、とか。
そこで浮かび上がってきたのが、仲はいいんだけど、なんか逆らえない姉、美咲でした。
当初は「徹平はシスコンだから年上の押しの強い女に弱そう」と思い、賑やかしで作ったつもりでした
が、気づいたら第三のヒロインになっていました。

多分TLらしいストーリーにするなら、魅力的な女性を拒否してヒロインに見直してもらいより戻して
完結っていうのが正しいんだと思います。
なので、徹平には美咲を拒否させるようにするつもりでした。
が、そちらに向けようとすると徹平が動いてくれませんでした。
結果こんなことになってしまいました。
友人たちに言わせると、「こういう流れはBLに多い」そうです。TL作ってるつもりが受けが女の格
好したBLだったようです。

この美咲はとにかく女性人気が高かったです。
なぜ鶴見といい、私の周りは押しが強いタイプが好きなんだろう。
あとは幼なじみの海斗。コイツは本当はもっとちゃんと高校生らしい、子供らしい子にしてあげたかった
のですが、話を動かすために妙に大人びた奴になってしまって反省しています。

本当は詩織と仲直りエッチでもして、空港で「待ってるからな」で終わるのが正しいTLのあり方なんだ
と思うんですが、そんな嘘くさい話、いくらフィクションでも無理でした。
で、色々悩んだ末、「両方作ればいいんじゃね?」と友人たちに言われ また 分岐することになりまし
た。

そんなわけで、3年に渡る長期連載になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。
自分勝手に作ってきた作品ですが、応援してくださった方々がいたおかげでこれだけ続けられたと思って
います。
本当にありがとうございました。

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